これまでを振り返り、これからを描くいち日。2026年6月8日、和歌山城ホール大会議室にて、「未来スクール2025年度活動報告会・2026年度キックオフ」が開催されました。当日は地域の企業経営者や中学校校長など約80名が来場し、会場は熱気に包まれました。 今回は2025年度の未来スクールを受講した生徒自身がステージでプレゼン発表を行い、参加者に「生の声」と確かな成長を届けてくれました。
「将来の目標」と「和歌山への誇り」が芽生える
これまで未来スクールは主に中学2年生を対象に開催してきました。今年度(2026年度)からは、すべての中学校で「1年生」で実施する新たなモデルをスタートします。2025年度はその準備として、和歌山市内の2校で1・2年生合同開催を実施。全体では、1,211名の生徒を対象に、156教室でプログラムを展開しました。
また特筆すべき成果として
・職業先生44名が参加(うち11名が新規参加)
・職業先生として参画した4社で、代表と社員らによる組織的な参加を実現
・授業サポート延べ102名、運営サポート延べ22名が活動を支援
・44社から総額5,011,130円の寄付・協賛をいただき、プログラム開発や運営に活用
・5校で事後発表会に職業先生を招待し、生徒の成長を地域全体で見守るコミュニティづくりが進展
などが挙げられました。
また生徒の自己肯定感や将来への前向きな姿勢の醸成、学習意欲と地元和歌山で未来を描く希望の向上など全ての項目で上昇が見られました。

そして代表の山本理恵からは次のように決意が述べられました。

山本:中学生は子供でも大人でもない、価値観や職業観を形成する大事な時期。中学時代が変われば高校時代が変わる。高校時代が変わればその先の人生が変わる。未来スクールはこれからも中学生の未来に伴走していきます。
子どもたちの未来を変えることは地域の未来を変えること。地域企業と学校がつながり、子どもたちの探究心に火をつける新しい教育の場を一緒につくりましょう。


自分の未来を「自分ごと」にする変化が見られるように
続いて、紀之川中学校の植西仁美校長先生からは、学校現場での実践報告をいただきました。未来スクールの導入により、生徒たちが「何となく進学する」から「将来やりたいことのために進路を選ぶ」へと意識を変化させていること、そして地域の社会人との出会いが生徒の「自己有用感」や「主体性」を育む貴重な機会になっているとお話しいただきました。

植西:今の中学生は、保護者や先生以外の大人と関わる機会が少なく、自分が誰かの役に立っていると感じる「自己有用感」が低い傾向があります。また、自ら考えて行動する経験も不足しており、主体性を育むことが課題となっています。この背景には生徒に考える機会が与えられていないことがひとつの要因として考えられます。
この課題を克服するためには「生徒の1人」としてではなく、「地域社会の1人」という感覚を持つことが大事です。地域や社会人と接して、社会の仕組みを知る。自分自身は何が好きか、何に興味があるのか、自分について知る。そしてこれから自分はどうすれば社会の役に立てるのかと考えることが必要だと感じます。このすべてを満たしてくれるのが未来スクールです。
「和歌山全部の中学校でやってほしい!」受講生が語った心の声
植西校長先生に続いて、紀之川中学校で昨年度に未来スクールを受講した2年生のNさんから未来スクールを受けて得た自身の学びについてプレゼン発表がありました。
Nさんが通う紀之川中学校では、中学1・2年生が合同で未来スクールを受講しました。その後の事後学習では、各企業の体験授業や各職業先生の授業で学んだことを振り返り、全員がプレゼンテーションを作成。その後、職業先生ごとに選ばれた代表者が全校生徒の前でプレゼンテーションを実施。最後に、生徒たちの投票によって「ベストプレゼンター」を決定しました。
Nさん:私はプレゼンは企業の方に感謝することだと思って臨みました。その結果、「ベストプレゼンテーター」に選ばれました。他の代表者たちもプレゼン資料に写真を用いたり、クイズ形式を取り入れるなどして工夫して行っていました。このように全校生徒にプレゼンすることはとても貴重な体験でした。
さて、未来スクールを受けて実感した未来スクールの良いところについてお話ししします。まず、企業が大切にしてることを学ぶことができることです。私は訪問看護を行う職業先生の授業を受講しました。その中で笑顔を大切にすることを学びました。これをこれからの学校生活にも意識していこうと思いました。
未来スクールは、日々の授業では教えられない働くことについて学ぶ良い機会です。未来スクールの授業を受けるまでは、働くことについてよくわかりませんでした。しかし、未来スクールをきっかけに、働いている自分を少し想像することができました。
また企業の方から直接授業してもらえることは学校の授業では得られない経験です。これは未来スクールの強みだと思います。
しかし、未来スクールを行なっている学校は、和歌山市でもまだ少ないことがわかりました。私が働くことへの関心が深まったのは未来スクールのおかげなので、「和歌山県全部の中学校で授業をしてほしい」と思いました。そのためには協力してくれる企業の皆様の力がとても必要です。企業のみなさん、学校の授業では得られない経験をたくさんの生徒に届けられるように頑張ってください。私は心から企業の皆様を応援しています。

Nさんに授業を届けた職業先生も会場でプレゼン発表の様子をしっかりと見守ってくれていました。受講生徒からの真っ直ぐな応援とお願いに、会場からは温かい拍手が送られました。
10校・1,448名へ。未来スクール、さらなる挑戦
続く第3部では、「未来スクール2026」の開催概要が発表されました。
2026年度は、和歌山市内の全18校のうち10校(前年度比+4校)で実施し、1,448名の生徒への授業提供を予定しています。職業先生による授業は全168教室で開催され、のべ84名の職業先生が子どもたちに学びを届けます。また、今年度からは全校で中学1年生を対象に実施し、2年次の職場体験につながる学びとして位置付けられるようになりました。
2026年度も、未来スクールは子どもたちが地域の大人とつながり、自分らしい未来を描くきっかけとなる学びの場をつくっていきます。