紀州技研工業株式会社は産業用インクジェットプリンターの開発から製造・ 販売・サポートまでを一手に手がける製造業の会社です。インクジェットプリンターに使われるインクも自社で開発・製造を行い、国内でシェアNo. 1 を誇ります。段ボールから金属、プラスチック、セラミック、そして卵や薬といった食品にまで印刷ができる特殊な技術で、私たちの暮らしを支えている企業です。
未来スクールには職業先生と寄付でご協力くださっています。今回は代表取締役の釜中眞次さんと総務・企画本部長の岩橋伴幸さんにお話をお伺いしまし た。
未来スクールとの出会いについて教えてください。
釜中:私が商工会の青年部に所属している頃に、未来スクール代表の山本さんと知り合いました。それから何年か経った後、山本さんが未来スクールの取り組みを始めたことを聞いたり、またSNSでの発信を見て、すごいエネルギーで頑張っているなと思いました。こちらも何かできることがあればと思っていたところ、山本さんの方から未来スクールのご説明をいただき、寄付と職業先生で協力をさせてもらうことにしました。

未来スクールに共感してくださった点をお聞かせください。
釜中:子どもたちっていろんな可能性があって、何に興味を持つかで将来が大きく変わってくると思います。子ども時代にいろんなチャンスがあるのはいいことだと思うし、チャンスを与える機会があるなら色々教育に携わりたいとは以前から思っていたことがひとつです。また、その中でも理系分野に興味を持つ子どもたちが増えてほしいなとも思って参加させていただくことにしました。
職業先生の授業ではどのようなことを行なっていらっしゃいますか。
岩橋:私どもは産業用のプリンターを開発・製造・販売しているのですが、 こうした会社の業務内容などを説明する講話の部分は私が担当しています。職業観などの講話部分と体験の方は、技術開発職の若手社員が担当しています。体験では、弊社の産業用プリンターを学校まで持参して、プリンターの中を見てもらい、機械のおおまかな仕組みを説明して、みかんに日付などを印字することを体験してもらいます。そして基板(人間に例えると 脳。全てを統括する部分)も生徒さん一人ひとりに手渡して、ものづくりの面白さを体感してもらいます。

中学生のみなさんはどのような反応がありますか?
岩橋:基盤やプリンターの中を見る機会はあまりないので、「何これ?」とすごく 興味を持ってもらえますね。私一人だと中を開けて見せようという発想にはならないのですが、授業の中で体験の時間を担当している社員は技術者 なので、「きっとこっちの方が中学生にはおもしいと思ってもらえる」と自ら考えて工夫をしています。
未来スクールを通して、社員さんや会社に何か変化はありましたか?
岩橋:体験の時間を担当している社員は技術職なので、営業職と比較すると普段から人前で話をするという機会はそうたくさんはありません。しかし未来スクールの授業の前に模擬授業をする練習会があったり、授業内容をブラッシュアップしてもらうので、わかりやすく説明することに慣れてきたんじゃないでしょうか。新卒採用の際に対応や説明をしてもらってるのですが、端的に説明ができるようになったと思います。

未来スクールの活動が子どもたちにどんな影響を与えているでしょうか?
岩橋:弊社では10年前ぐらいから中学生の職場体験や高校生のインターンなどを受け入れてきましたが、いざ若い人が就職活動するとなると、テレビやCMなどで目にする企業以外は就職先の選択肢になかなか上がってこないものです。ですので、未来スクールを通して和歌山にこういう会社があるっていうのをまず知ってもらえたらと思います。中学生の時に学んだことはどこかにインプットされてるだろうから、職業を考えたり、就職活動をするときなどに思い出してくれたらいいなと思います。
釜中:和歌山って大阪と比較したら有名な企業がたくさんあるわけでもない。でも企業の中身をよくよくみると、こんなすごいものをつくっているんだなとわかる。すると和歌山に対するイメージも違ってくるかなと思います。子どもたちが将来を考える時、未来スクールの体験を思い出してくれたらいいですね。
未来スクールの活動では社員さんを職業先生として参加していただいて いますが、企業側の負担としてはいかがでしょう?
釜中:毎回違う授業内容を提供するのだと大変ですが、今行なっている授業を今後も継続していくのであれば、さほど負担というほどでもありません。弊社は産業用プリンタの展示会などにもよく出展してますので、中学校に機械を持っていくのもさほど大変なことではありません。
岩橋:今は職業先生2年目で担当している社員が決まっていますが、今後は別の社員に経験のためにバトンタッチしてもいいなと思います。
未来スクールに期待すること、こうなって欲しいという要望がございましたらお聞かせください。
釜中:例えば、未来スクールを和歌山市内の全部の中学校で行うとなったら、特徴のある和歌山の教育のひとつとして面白いかもしれません。全学校となると、準備などがちょっと大変かもしれませんが(笑)。
私は、新しい技術革新“ものづくり”が日本のために大切だと考えています。そんな中で、私は理系分野に興味を持ってくれる子どもたちを増やしたいですし、今後も未来スクールに協力できたらと思います。